Q、御社のLGBTの取り組みについて教えてください。

今津さん：ドイツ証券株式会社では、ダイバーシティプログラムとして女性社員や子供を持つ社員の自主的な従業員ネットワークがいくつか存在し、その中の一つとして『DBプライド』というものがあります。弊社では2007-08年くらいからダイバーシティへの取り組みを始めて2009年から会社としてダイバーシティウィークなどのイベントを開催し、多様な背景や考え方のアウェアネスを高めていくという目的のもと活動しています。『DBプライド』は2013年の11月に正式に立ち上がり、LGBTに対する認識やLGBTの社員が自分らしく働ける職場環境を作ることを目指してLGBTやアライの社員とともに活動しています。人数の公表は公にはしていませんが、年々認識の高まりに伴い急激ではないですがネットワークが広がっています。

『DBプライド』の活動の例をあげると、東京プライドパレードのサポートや、社内で11月に開催される『ダイバーシティウィーク』のイベント参加などです。2014年の『ダイバーシティウィーク』では、女性のキャリアについてやシニアマネジメントのダイバーシティに対する考え方の紹介、男性のがんについての啓もうを目的としたMovemberイベント開催の他、子供を持つ社員についての勉強会に加えて、虹色ダイバーシティ代表の村木真紀さんをお迎えしランチタイムに社員100名規模に対してLGBTについての認知を上げるプレゼンテーションを行いました。村木さんの基本的なLGBTについての紹介に加えて、トランスジェンダーの方に登壇していただきどういった体験やチャレンジがあるかなどをシェアしていただきストレートの方のサポートがいかに重要かについてお話していただきました。

現在、弊社の人事部ではLGBT社員がより働きやすい職場環境にするために何が必要かという要望をヒアリングしており、LGBT社員が会社の福利厚生などでのニーズを提示し定期的にミーティングを行っています。また、金融業界のLGBTグループである『LGBTファイナンス』との意見交換を行うなど、社内外で情報収集を実施しています。すぐに対応できるところは改善し、中長期の課題についてはマネジメントとの対話を続けながら段階的に改善していきたいと考えています。

Q、御社がダイバーシティを推進される背景はなんですか？

今津さん：ドイツ銀行グループの従業員全体で、145か国の出身者がいます。そういった背景からも、出身国や文化、宗教、人種、性別、LGBTに関わらずダイバーシティを推進しています。LGBTは職場の中のダイバーシティーの一環として位置づけられています。社内のダイバーシティーブループにはLGBTの他にも女性の職場支援などがあります。従業員が自主的に各々のグループを立ち上げ運営しています。社内では、例えば子どもをもつ社員に、シッターさんの割引があったり、『ダイバーシティウィーク』でのセミナーなどを通じての勉強会をしています。社宅に同性カップルや事実婚のカップルも一緒に住むことができるなど、福利厚生の面でもダイバーシティが進んでいます。

Q、御社でのLGBTの「はたらく」の現状を教えてください。

今津さん：弊社にはカミングアウトしてはたらく社員もいますが、おそらくカミングアウトをしていない人たちも多くいるだろうと思っています。カムアウトすることにまだ抵抗がある社員の方もいらっしゃると思いますので会社としては何人LGBT社員がいるとは公開はしていません。ただ、私自身レズビアンであることをカミングアウトしていますが「フレンドリーでない人たちはいないなあ」と感じています。弊社に限らず業界的にダイバーシティや平等性を尊重する傾向があって、様々な文化や違いに良い意味でオープンな基盤があるからかもしれないですね。

Q、今後の御社の取り組みの予定について教えて下さい。

今津さん：今年ですと、4月26日の東京レインボーパレードをサポートし、社員に呼びかけて一緒に歩くことを予定しています。渋谷区長などをもいらっしゃるようで弊社からも多くの参加者が参加するようです。昨年のパレードには弊社からは23名の社員が参加しました。http://dbnetwork.db.com/jp/en/news/japan_news_2014_8355.html

 
【企業情報】
企業名：ドイツ証券株式会社
企業概要：世界最大級の金融機関であるドイツ銀行の在日証券業務拠点。株式、債券のセールス/トレーディング、資金調達、M&Aなど、ホールセール（事業法人･機関投資家等）向けの幅広い証券ビジネスを展開。
採用情報：https://japan.db.com/jp/content/careers_apply.html